マンスリー・マーケット・ビューポイント2025年7月号「加速とブレーキ」
BNPパリバ・アセットマネジメント(BNPP AM)は、マーケットに関する最新の見通しを提供する「マンスリー・マーケット・ビューポイント」を月次で発行しています。2025年7月号の主なポイントは以下の通りです。
08/07/25
BNPパリバ・アセットマネジメント(BNPP AM)は、マーケットに関する最新の見通しを提供する「マンスリー・マーケット・ビューポイント」を月次で発行しています。2025年7月号の主なポイントは以下の通りです。
08/07/25
従来、サステナビリティを重視する投資家は、防衛セクターへの投資を避ける傾向にありました。しかし、地政学的動向の変化や、サステナビリティにとって何が重要かという視点の進化により、防衛産業に注目が集まっています。欧州における自立やレジリエンス(耐性)、安全保障が主要な投資テーマとして浮上する中で、BNPパリバ・アセットマネジメントのESGアナリストであるSindhu Janakiramが、サステナビリティ基準と防衛関連投資には整合性があることを解説します。 持続可能な開発のための基礎的な前提条件は、平和や安定、そして予測可能な未来です。実際に、国連の持続可能な開発目標(SDGs)16 「平和と公正をすべての人に」において、平和と公正、強固な制度が必要であると強調されています。 適切な「ガードレール(枠組み)」に基づく防衛関連企業は、持続可能な成長を可能にする社会や経済のレジリエンスに大きく貢献できると思われます。防衛インフラが脆弱であれば、国・地域は外国からの侵略やテロリズムの脅威にさらされ、経済の不安定化、住民の移転、さらには開発の停滞や破綻を招くことになりかねません。 したがって、国際法を遵守する国々において、防衛関連企業に投資することは、世界平和の維持・安定に貢献しているとみなすことができます。 サステナブル投資を実践する投資家は、防衛関連企業が責任ある政策を支持しているかどうかを判断するために、そのサステナビリティを厳格に審査すべきだと考えています。こうした判断ができる投資家は、鉱業やダイヤモンド採掘といった物議を醸す分野における課題解決に貢献してきたように、防衛産業でもプラスの影響を与えることができるでしょう。 防衛産業に投資する経済的理由 欧州の戦略的自立に関する記事でも指摘したように、欧州の防衛関連企業には魅力的な上昇余地が残されています。ロシア・ウクライナ戦争、そして米国に依存した安全保障への不透明感が強まったことによって、過去数十年にわたって防衛への投資が不十分であった欧州諸国は、再び軍事力強化の必要性に迫られています。 こうした事情から欧州連合(EU)では、防衛費増額と再軍備計画を目指す総額8,000億ユーロ規模の投資計画が次々と発表されました。その結果、地政学的緊張の高まりや世界的な軍事費増加を背景にすでに上昇基調にあった防衛関連企業の株価は、EUの投資計画が明らかになるにつれて、さらに大きく上昇することとなりました。 欧州では今後10年間に1兆6,000億ユーロ超規模の防衛関連投資が計画されており、多くの投資家にとって長期的な投資機会が生まれていることが明らかになっています。ETFへの資金フローもこれを反映しています。2024年の防衛関連ETFへの資金流入額は19億ユーロ弱でしたが、2025年に流入ペースが加速し、今年6月までに既に累計80億ユーロを超える資金流入となっています。 防衛関連企業のここ数年の株価上昇を受けて、投資家のこうした企業への投資意欲はますます高まっており、防衛関連企業の更なる上昇を後押しする要因ともなりそうです。 欧州諸国が防衛支出を長期にわたって拡大するというコミットメントに加えて、すでに相当な受注残があること、さらに防衛関連企業のキャッシュフローが堅調であることは、さらなる株価上昇の予兆と考えられます。欧州の防衛関連企業の多くは、米国に拠点を置く同業と比較しても割安に評価されており、この事実も欧州の防衛関連企業にとってプラス材料となっています。 最後に、多くの欧州投資家は、これまでサステナビリティへの観点から防衛関連企業への投資に慎重なスタンスでしたが、足元ではこれを見直す動きが出てきており、機関投資家や一般投資家からの資金流入が高まる可能性もあるでしょう。 防衛技術がイノベーションをけん引 歴史を振り返ってみると、防衛支出がもたらした副作用の一つとして、軍事分野の技術革新が民生分野へと広く普及するきっかけとなったことが挙げられます。インターネットやGPS、炭素系複合材などの先端材料は、いずれも防衛研究によって生まれたものです こうした傾向は今後も継続するに違いません。多くの防衛関連企業は、高度な物流やサイバーセキュリティ、人工知能(AI)に多額の投資を行っていますが、すべて社会全体にとって非常に重要なものに進化する可能性があります。 当社のサステナビリティへのアプローチと防衛分野への投資 当社では、防衛関連企業が各国・地域の主権と安定の維持において果たす重要な役割を認識し、防衛産業への投資を行っています。その際、国連グローバル・コンパクトの原則1および2に沿って投資を行います。原則1および2では、企業は人権保護を尊重し、人権侵害に加担しないよう徹底すべきであると定められています。 当社は、民間人に無差別に不当な危害を与える兵器に関与する企業には投資しないことを定めた、「責任ある企業行動方針」を遵守しています。具体的な兵器として、クラスター爆弾、対人地雷、化学兵器、生物兵器といった国際条約で禁止されている兵器が含まれますが、これらに限定されるものではありません。…
08/07/25
先週のインド株式市場は、SENSEX指数やNIFTY50指数では先々週の大幅な上昇から一転して下落となりました。外国人投資家(FII)による約156億ルピー相当のインド株売り越しや、インドと米国の貿易交渉をめぐる不透明感などが背景と考えられます。原油価格は、1バレル68.8ドル付近で推移しており、月間での上昇率は5%を超えました。地政学的リスクの高まりに加えて、OPECプラスによる減産、米国の原油在庫データ、マクロ経済要因などが背景にあり、原油価格上昇はインド経済にとっては悪材料となります。金価格は、米国のインフレ懸念と次回FOMCでの利下げ観測により、ボラティリティが高まっています。規模別の指数で見ると、Nifty50指数が一時25,405ポイントまで下落し、前週比では0.7%の下落となりました。一方で、Nifty Midcap150指数が0.6%、Nifty Smallcap250指数が0.7%の上昇となり、前週も小型株優位の展開となりました。 セクター別に見ると、Nifty耐久消費財指数(2.8%)、Nifty医薬品指数(2.1%)、Nifty公的金融機関指数(2.0%)、Nifty石油ガス指数(1.4%)、Nifty IT指数(0.9%)などが上昇しました。一方で、Nifty不動産指数(2.2%)、Nifty金融サービス指数(1.8%)、Nifty銀行指数(0.7%)、Nifty非耐久消費財指数(0.7%)などが下落しています。 また、インドルピーは対米ドルで小幅に上昇、インドの10年債利回りは低下しました。
07/07/25
欧州において、戦略的自立(オートノミー)が最優先事項として浮上しています。戦略的自立とは、防衛、エネルギー、デジタルインフラやサプライチェーンといった主要分野において欧州が独立性を持って行動することであると、欧州オートノミー投資戦略を担当するMathieu JourdeとLazare Hounhouayenouが解説しています。 欧州連合(EU)が外部への依存度を低減させ経済の安全性を高めることは、EUの競争力に関してまとめられた「ドラギ報告書(2024年)」でも指摘されたEUが直面する3つの主要課題の1つとなっています。なお、他の2つは、米国とのイノベーション格差の解消、脱炭素化と競争力の調和となっています。 世界的な地政学的変化をきっかけとし、ロシア・ウクライナ戦争が勃発し、外部への過度な依存が明らかになったことに加え、新型コロナウイルス感染症のパンデミックによって経済的脆弱性が露呈したことなどから、欧州では外部依存度を減らす必要性がますます認識されつつあります。 しかし、戦略的自立の概念が普及しつつある一方で、その実現には政治、経済、制度面における課題が残されています。 なぜ戦略的自立が必要か 戦略的自立に向けた主な課題 戦略的自立に向けた主なイニシアチブ 戦略的自立をサポートする民間の取り組み 公的セクターの資金が戦略的自立の基盤構築に役立つ一方、事業の規模を拡大し継続させるためには民間セクターの資金が不可欠だと考えています。株式市場への民間セクターの資金流入は、防衛やクリーンエネルギー、デジタルインフラ、半導体といった分野における欧州のリーダー企業の成長を支える原動力となるでしょう。 運用会社や個人投資家のエアバス、ABB、ノキア、ロールス・ロイス、シーメンス、STMといった戦略的自立のために不可欠な企業への投資は、市場の信頼性や透明性を高めると同時に流動性確保の観点から重要です。一方で、欧州において革新的な企業を生み出し、外国企業によって買収されることなくその規模を拡大していくためには、新規株式公開(IPO)を通じた投資も求められます。 世論やESGのジレンマ、争点となるセクター 戦略的自立を実現するためには、どういった投資を行うべきか、それが社会的に受け入れられるかどうか、という難しい問題に取り組むことになります。原子力、防衛、重要原材料といった主要分野は、欧州の一部の地域では政治的あるいは倫理的な論争が起こっている分野でもあります。 例えば、原子力は低炭素エネルギーにおける中核として認識されてきていますが、依然としてその利用には反対意見もあります。 同様に、持続可能な開発のためには安全保障が大前提となるという認識が広がっているにもかかわらず、防衛関連銘柄はESG(環境・社会・がバナンス)の観点において、ポートフォリオから除外されるケースもしばしば見られます。つまり、従来のESGの枠組みによる倫理的なフィルターによって、欧州の自立に不可欠なセクターが資金不足に陥りかねないという矛盾が生じるのです。 時代に合わない投資アプローチが欧州の戦略的な目標を阻害することがないよう、EU加盟国における国民の支持、規制の整合性、そして財政的なインセンティブを調和させていくことが重要となるでしょう。 欧州の防衛関連株が引き続き好調な理由 2022年の初頭以降、欧州の防衛関連株のパフォーマンスは他のセクターに比べて大きくアウトパフォームしていますがが、構造的な追い風を受けて、今後も十分な上昇余地が残されていると考えます。 欧州全体の防衛予算は増加しているだけでなく、長期的なコミットメントに向けた予算の再編も進められています。多くの欧州防衛企業は、公共支出をめぐる不確実性が高い米国企業と比較して、受注残も大きく、堅調なキャッシュフローが予想できることに加えて、バリュエーションも魅力的な水準となっています。…
02/07/25
先週のインド株式市場は、大幅な上昇となりました。インドの主要株価指数の一部は過去最高値を更新し、それ以外も最高値に迫っています。イスラエルとイランの停戦合意を受けて、市場心理は落ち着きを取り戻し、リスクオフの動きが後退したことが背景にあります。外国人投資家(FII)が週を通じて約248億ルピー相当を売り越す一方で、国内投資家(DII)は約1,087億ルピー相当の買い越しとなりました。通貨インドルピーは、原油価格が下落する中で、対米ドルで85.5ドルまで上昇し、週間で2023年1月以来の上昇率を記録しました。インドのような石油輸入国では、原油価格下落は輸入コストの低下を通じて、企業業績の改善につながります。なお金価格は、市場の不確実性と地政学的リスクが緩和されたことにより、大幅に下落しまた。規模別の指数で見ると、Nifty50指数が2.1%、Nifty Midcap150指数が2.6%、Nifty Smallcap250指数が4.3%の上昇となり、小型株優位の展開となりました。 セクター別に見ると、国内投資家(DII)からの資金流入に加えて、インド企業の堅調な企業業績、市場心理の改善、地政学的リスクの緩和などから、週間で上昇するセクターが目立ちました。米関税に対する懸念の緩和や米ドル安を背景に、Nifty金属指数(4.8%)、Nifty資本財指数(4.8%)が大きく上昇し、市場をけん引しました。続いて、Niftyインフラ指数(3.4%)、Nifty石油ガス指数(3.3%)、Nifty金融サービス指数(2.6%)、Niftyエネルギー指数(2.7%)も堅調な動きとなりました。一方、Nifty IT指数(0.4%)、Nifty医薬品指数(1.1%)、Nifty不動産指数(1.9%)は下落しています。 また、インドルピーは対米ドルで大幅に上昇、インドの10年債利回りは小幅に上昇しました。
30/06/25
先週のインド株式市場は、貿易をめぐる緊張の高まりや世界経済の不確実性に加えて、原油価格の変動性が高まったことで、強弱入り混じった展開となりました。米連邦準備制度理事会(FRB)は6月18-19日に開催した米連邦公開市場委員会(FOMC)において慎重な姿勢を維持する一方で、米国経済の安定性や底堅さを受けて政策金利の変更は急がないとの見方が広がりました。外国人投資家(FII)は先週330.8億ルピー相当を買い越し、国内投資家(DII)も買い越しを継続していることが市場を支えています。一方、原油価格は3カ月ぶりに高値圏にありますが、米国のイラン攻撃が週末であったこともあり、緩やかながら下落しています。金価格は、週前半に調整売りが見られましたが、安全資産への需要は継続しています。 通貨インドルピーは、米国の金融政策や堅調な経済指標を受けて、対米ドルで下落しました。規模別の指数で見ると、Nifty50指数が週末に25,000ポイントを回復し、前週比1.6%上昇しました。一方、Nifty Midcap150指数とNifty Smallcap250指数は、0.7%と1.7%とそれぞれ下落しました。 先週、株式市場は変動が大きい展開となりましたが、いくつかのセクターが上昇を牽引しました。国内需要と日用消費財の力強さを背景に、Nifty消費財指数(2.2%)の上昇が目立ったほか、Nifty不動産指数(1.8%)、Nifty自動車指数(1.5%)、 Nifty IT指数(1.4%)も堅調な動きとなりました。一方、Nifty金属指数(1.3%)、Nifty医薬品指数(1.7%)、Niftyエネルギー指数(0.4%)などは下落しました。 また、インドルピーは対米ドルで下落、インドの10年債利回りはやや低下しています。
23/06/25