Daniel Morris

Daniel Morris

Chief Market Strategist, Co-Head of the Investment Insights Centre

Bio

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Location London

Joined 2015

Articles from Daniel Morris

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最近の好材料は何ですか?

ブレント原油が4月17日に1バレル99ドルという最近の安値(イラン紛争前の価格は71ドル程度でしたが)を付けてから原油価格は再び上昇し、一時は124ドルまで上昇した後、5月14日時点では106ドル程度で推移しています。この期間、S&P500指数は5.3%の上昇、MSCIワールド指数(除く米国)は0.6%の下落となっています(現地通貨ベース)。 しかし、決算発表シーズンが終わり、中東情勢に関する好意的でないニュースが続いた場合、市場はこれを相殺する好材料を見つけるのに苦労するかもしれません。ただし、米国では経済データが好材料になる可能性はあります。 米国の非農業部門雇用者数は、4月も総じて堅調な雇用創出を示しました。ヘルスケアセクターが再び最大の雇用増を記録していますが、米国の高齢化に伴い、このセクターの雇用創出は数十年にわたるトレンドになっています。より重要なのは、労働市場のほとんどのセクターで雇用が増加しているということです。 金融や情報セクターの雇用減少は、人工知能(AI)による雇用破壊の兆候とも受け取られているようです。雇用削減に関するニュースが多いことを勘案すると、AIの影響もあるかもしれませんが、現時点ではAIだけの影響とは考えにくいでしょう。なぜなら専門サービスの雇用は増加基調にありますし、金融セクターの雇用減は(動きの遅い)保険業界に集中し、情報セクターの雇用減は主に映画産業によるものとなっているからです。 成人の失業率が4%未満で安定し、賃金の伸びも好調であるため、現時点で米国の労働市場に問題は見られません。これが、ガソリン価格の高騰にもかかわらず消費需要が安定しているとの見方につながっていると思われます。実際に、4月の小売売上高(ガソリン除くコア)は前月比0.5%増を記録しており、こうした見方を裏付けています。 欧州とアジアにおける経済的背景の相違 対照的に、ホルムズ海峡が閉鎖され、石油在庫の減少がさらなる価格高騰を招く中で、欧州はリスクにさらされています。最近の経済指標を見ても、米国ほど明るいものではありません。 サービス業の購買担当者景気指数(PMI)は、4月は欧州の主要国で低下し、景気拡大から景気縮小に近づくか、実際に景気縮小を意味する50を下回りました。米国のサービス業PMIは安定かつ改善を示しており、セクター業の企業活動の拡大を示しました。 年初来の欧州株式のパフォーマンスと、同様のセクター構成を持つ米ラッセル・バリュー指数を比較してみると、こうした両者の経済的背景の相違が反映されています。米国とイランの紛争勃発までのリターンはほぼ同水準で、2月末まではいずれも7%程度の上昇でした。しかし、それ以降の欧州株式は3%下落し、米国のバリュー株は4%の上昇となっています(執筆時点) 中国(およびアジア全般)も、今回の危機の影響を強く受けています。中国における信用の伸びは鈍化し、PMIは景気拡大を意味する50をわずかに上回っている程度です。輸出が中国経済を支えてきましたが、これも持続可能な戦略とは言えません。 安価な中国製品の輸入によって苦しんでいる国々は、自国の産業基盤への懸念から将来的には貿易制限を強化することも考えられます。 イラン戦争は、すでに脆弱だった中国経済の問題を単に悪化させただけとも言えるでしょう。中国株式(テクノロジーを除く)は、年初来で新興国市場全体を下回るパフォーマンスを続けています。 テクノロジー分野におけるパフォーマンスの差はさらに大きいものとなっています。台湾と韓国のテクノロジー株はそれぞれ年初来で58%と157%上昇している一方、中国のテクノロジー株は12%下落しています(執筆時点)。 中国株の投資家は、5月14日~15日に開催される米中首脳会談が2つの超大国の関係に実質的な改善をもたらすことに期待することになるでしょう。 企業への参照は例証のみを目的としており、個別銘柄への投資を推奨するものではありません。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。また、記載内容は、2026年5月14日現在の資本市場を説明したものであり、特定の金融商品への勧誘や推奨を意図したものではありません。 (オリジナル記事は5月15日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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月次市場見通し: 債券市場の回復力と株式市場における乖離

金利見通し 中東紛争の勃発以来、債券のパフォーマンスはデュレーションと逆相関となっています。デュレーションが短い債券に加えて、利回り水準が高い債券、そしてインフレ連動債が良好なリターンを示しています。また、米国債券は満期やクレジットの種類を問わず、総じて好調なパフォーマンスを示す傾向にあるようです。これは、米国の利回りが欧州よりも高く、インフレや政策金利への影響が限定的であると予想されているためでしょう。インフレ、金利、財政をめぐるリスクが継続する限り、こうした傾向は続くとみられます。4 月の政策金利は据え置かれたものの、ユーロ圏と英国では引き続き利上げのリスクが残されています。 一方で市場では、米国の政策金利は年内は据え置かれると予想されています。当面は、市場構造的にデュレーションが短く、インカム収入がトータルリターンに大きく寄与する米国ハイイールド債が選好されると見込まれます。2 月 27 日から 5 月 1 日までのICE BofA米ハイイールド指数のインカムリターンは1.2%で、欧州ハイイールド債が0.9%で、米国債(満期 1 年~ 3 年)の0.52%を上回りました。長期債のパフォーマンス改善には、イラン紛争の終結、エネルギー価格の下落、そして金利見通しの転換が必要となりそうです。 選別的なスタンス 株価指数と原油価格の相関関係は、最近になって一部で崩れつつあります。4 月末時点でブレント原油が過去数週間で 20%程度上昇した間、世界の株式指数はほぼ横ばいでした。しかし、注目すべき乖離がいくつかみられます。まず、米国と欧州における乖離です。米国の株価上昇は、好調な経済指標と堅調な決算発表によって支えられています。S&P500指数の構成銘柄のうち、執筆時点で決算発表を行っている企業の…

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決算が危機を救う!

過去数週間におけるトランプ米大統領のいくつかの(時に矛盾している)ソーシャルメディアへの投稿は、イラン側によって否定されることもあったものの、原油価格は実際に下落し、投資家には戸惑いが広がりました。その後、米国とイランの緊張が再び高まる中で原油価格が20%程度も急騰したため、こうした市場の懐疑的な見方は正しかったように見えます。 当初の原油価格の下落は、世界の株式市場から好意的に受け止められましたが、その後の原油価格の急騰は米国やテクノロジー中心の株価指数にはほとんど悪影響を与えていません。一方で、欧州や日本、新興市場(テクノロジーを除く)などバリュー株の比率が高い株価指数は下落しています。 こうした乖離には、2つの要因が考えられます。まずテクノロジーの進化は、企業の利益成長や株価上昇にとって継続的にポジティブな要素となっています。新興国のテクノロジー株は米国とイランの紛争による直近の安値から24%上昇し、年初来で30%上昇しています(執筆時点)。 米国はテクノロジー株への信頼が戻ったことの恩恵を受けており、とりわけ米国のソフトウェア関連株は2月の混乱から回復に向かっています(ただし中国のソフトウェアは引き続き苦戦しています)。しかし、足元の株価の反発はテクノロジー株だけにとどまらず、幅広いセクターでもみられています。これは米国の経済データが、欧州とは対照的に、明るさをもたらしているためと言えるでしょう。最新のサービス業の購買担当者景気指数(PMI)では、米国の企業活動が加速する一方で、ドイツとフランスでは企業活動が縮小に入ったことを示唆しています。 幅広いセクターでのポジティブサプライズ 4月30日に発表された米国の1-3月期GDP速報値は前期比年率+2.0%と、2025年10-12月の低成長(+0.5%)から回復を示し、市場にはさらなる安堵感が広がりました。米国経済の成長は、企業の設備投資によって大きく牽引され、全体の+1.4%分の成長に寄与しました。これは人工知能(AI)関連産業が主な原動力となっており、テクノロジー以外の製造業の設備投資は引き続き減少しています。個人消費も低調でしたが、ガソリン価格の急騰によってより弱いものとなる懸念もあったため、まずまずの需要が確認されたとみられます。 こうした経済環境は、米国企業の決算発表にも表れています。S&P 500指数の半数以上の企業がすでに決算発表を行っていますが、1株当たり利益(EPS)は前年同期比でほぼ20%の増加となっています。テクノロジーセクターが好調であるだけではなく、すべてのセクターで良好な利益成長が見られました。テクノロジーセクターを除いても、EPSは18%の増加となっています。このようなセクターの広がりは、ラッセルバリュー指数やラッセル2000指数の利益成長率にも表れています。また、決算におけるサプライズ(市場予想との差)はS&P500指数で10.5%と、平均的な3%〜4%の水準を大きく上回っています。 一方で欧州の決算データを見てみると、EPSの成長率は8.8%と悪くはありませんが、そのうち半分はエネルギーセクターによるもので(米国のEPS成長にエネルギーセクターからの寄与はほとんどありません)、決算サプライズや売上高の成長も大幅に米国を下回っています。 実際の決算データに加えて、米国の企業ガイダンス(今後の見通し)も力強いものとなっています。平均的に、決算時に発表されたガイダンスの約22%がポジティブですが、過去3カ月間ではこの比率が30%程度に達しており、経営陣は直面している不確実性にもかかわらず、総じて楽観的な見通しを持っていることが示されています。 イラン戦争が株式相場の持続的な上昇に対する最大の脅威であることに変わりはありませんが、少なくとも米国では、経済の強さとそれに伴う収益成長の見通しが依然として良好と言えそうです。 企業への参照は例証のみを目的としており、個別銘柄への投資を推奨するものではありません。過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。また、記載内容は、2026年4月30日現在の資本市場を説明したものであり、特定の金融商品への勧誘や推奨を意図したものではありません。 (オリジナル記事は5月1日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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イラン戦争:果たして全ては終わったのか?

イラン戦争は終わったのでしょうか?市場への影響という観点では、どの指数を見るかによって答えは変わってくるでしょう。株価指数や信用スプレッドの水準から判断すると、市場への影響は終わったと言えるかもしれません。 4月16日(木)の終値時点で、MSCI全世界株式指数は、米国とイランとの紛争が始まる前の2月27日の水準を1%上回りました。米国と欧州の投資適格債およびハイイールド債のスプレッド(信用格差による利回り差)は、紛争前の水準よりも低下しています(ただし、新興国を含む汎欧州ハイイールド債は例外)。米ドルと世界の通貨バスケットとの値動きを示す米ドル指数(DXY)は、紛争開始時よりわずか0.6%高い水準にとどまり、ピーク時から3%程度の下落となっています。 一方で、原油価格はこうした市場とは違った動きが見られています。ブレント原油は1バレル99ドル(執筆時点)で、2月末の価格を依然として28ドルも上回っています。また、国債利回りも紛争前の水準には戻っておらず、米国債とドイツ国債の10年もの利回りはそれぞれ0.35%ほど高い水準にあります。 当社のマルチアセット運用チームの見解は株式市場の見方に沿ったもので、リスク資産を選好することを推奨しています。中東情勢が順調に進展する可能性は低いとみられ、リスク回避的なポジションをまだ解消していない投資家にとっては、依然として割安な価格でポジションを解消できる機会を得られるだろうと考えています。ただし、米国とイランの交渉決裂、戦争再開の可能性は排除できません。 「バリュー」に沿った値動き 3月30日の株式相場の急落は、イラン戦争後の底値となる可能性があり、それ以降、当社が「バリュー」と位置付けている指数(ラッセル1000バリュー指数、MSCI欧州株式指数、MSCI日本株式指数、新興国株式(テクノロジー株を除く))は同様の動きを示し、過去2週間で6.7%から7.2%のリターンを記録しました。これらの指数の上昇率が限定的であったのは、過去と同じ状況であり、特別に驚くべきことではありません。 対照的に、米国および新興国のハードウェア関連株の値動きは過去2週間で劇的に変化しています。1-3月期の決算発表シーズンの中で、複数のテクノロジー企業が設備投資を大幅に増やす計画を発表し、その結果、新興国のテクノロジー企業の中でもハードウェアおよび半導体企業の株価が急騰しました。これらは、巨額投資の恩恵を最も受けた企業と言えるでしょう。 米国のハードウェア関連株は、こうした恩恵を受けなかったようにみえます。新たな人工知能(AI)ツールの登場というタイミングが重なったことで、世界のソフトウェア関連株の見通しに対する懸念が高まり、米国および新興国のソフトウェア関連株がともに下落しました。それでも、この数週間は以下の図表に示した全てのカテゴリーが上昇に転じています。 イラン戦争が市場に与える影響が限定的となれば、間近に迫った決算発表の結果が市場を左右することになるとみられます。前四半期の米テクノロジー株の低迷の一因は、市場の高い期待に反して業績が振るわなかったことだったことを思い起こす必要があるでしょう。 少なくとも新興国のハードウェア関連企業に関しては、設備投資の急増により、今四半期の決算に対する市場の期待値はさらに高まっており、利益は前年同期比で2倍以上になると予測されています。一方、ナスダック100指数の利益見通しは前年同期比23%増にとどまっています。依然として好調な業績が見込まれる中ではありますが、利益の伸び率が期待を下回った場合に投資家がどれほど寛容であるかは、今後の動向を見守る必要がありそうです。 過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。また、記載内容は、2026年4月16日現在の資本市場を説明したものであり、特定の金融商品への勧誘や推奨を意図したものではありません。 (オリジナル記事は4月17日に掲載されました。こちらをご覧ください。)

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金利の脅威

世界の主要な株式市場は、ドナルド・トランプ米大統領のソーシャルメディアへの投稿やインタビューに反応して、引き続き大きく変動しています。その内容が交渉の進展に関するニュース(イラン側は否定しているものの)であれば市場は上昇し、紛争の激化が差し迫っているように見える場合は下落しています。リスク資産が下落するか反発するかは、戦争の行方次第となるため、今後の見通しは不確実のまま変わりません。 しかし、市場動向には変化が生じています。原油価格に敏感な産業の株価は引き続き原油価格と連動して動いていますが、テクノロジーセクターでは主な要因に変化が見られます。 テクノロジーセクターは、他のセクターに比べてデュレーションが長いため、金利変動の影響を特に受けやすくなっています。この金利との関連性は、新型コロナウイルスによるロックダウン後に経済活動が再開された2022年に顕著に表れました。インフレが再燃し、それに対応して主要国の中央銀行は政策金利を引き上げました。米10年国債利回りはこの間に1.6%から4.2%に急上昇した一方、ナスダック100指数は年間で30%以上下落しました。 しかし、今年の2月の株式市場ではこの相関関係は弱まりました。これは、他の要因が相場を左右し始めたためです。つまり、ハードウェアのテクノロジー企業は、人工知能(AI)関連の設備投資の大幅な増加にけん引されて株価が上昇した一方、ソフトウェア企業の株価は、人工知能ツールがビジネスモデルの脅威となるとの市場の見方によって下落しました。 イラン戦争の勃発により、これらのセクター(金やビットコインも含む)において、積みあがったロングポジションとショートポジションの解消が進みました。この動きは、2月27日以降の米国債利回りの大幅な上昇による影響を上回り、ナスダック指数の変動は差し引きでは限定的なものにとどまりました。 現在(執筆時)では、こうしたロングとショートのポジションが縮小したことで、ナスダック市場の金利への感応度が回復しました。国債利回りが上昇している一方で、市場は下落しています(図表1参照)。また、今年初めに崩れていたハードウェア株とソフトウェア株の正の相関関係も復活してきています。 この新たな株式市場動向は、テクノロジーセクターの見通しが他のセクターよりも明るいことを示唆しているとみています。リスクとしては、戦争が激化し原油価格がさらに上昇すれば、国債利回りが上昇し続ける可能性があることです。しかし、原油価格が大幅に上昇すれば、市場はリセッション(景気後退)を織り込み始め、金利低下につながる可能性が高いとみています。 このシナリオでは需要が比較的堅調であり、テクノロジー企業がAIインフラへの投資を継続する可能性が高いため、テクノロジーセクターは株式市場における「ディフェンシブ」な役割に戻る可能性があるでしょう。 紛争終結に向けた交渉が成功すれば、金利の低下によって株式市場の上昇を促す可能性が高いとみています。BNPパリバ・アセットマネジメントの見方としては、欧州中央銀行(ECB)が原油価格上昇のインフレへの影響に反応を強めている姿勢とは対照的に、米連邦準備制度理事会(FRB)は比較的寛容な姿勢を示していることが、米国株式市場にとって一層の支援材料になるとみています。 過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。また、記載内容は、2026年4月1日現在の資本市場を説明したものであり、特定の金融商品への勧誘や推奨を意図したものではありません。 (オリジナル記事は4月2日に掲載されました。こちらをご覧ください。) 本資料で使用している指数について ナスダック100指数:米国NASDAQに上場している金融銘柄を除く時価総額上位100銘柄の値動きの平均を示す時価総額加重平均型株価指数です。 ※本資料中の指数等の著作権、知的財産権、その他一切の権利はその発行者に帰属します。

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月次市場見通し: 石油以外の要因と中国の耐性に着目

By Chris Iggo, アクサIM 資産運用研究所議長、アクサIM コア CIO、BNPパリバ・アセットマネジメント(以下、BNPPAM); Daniel Morris, BNPPAM チーフ・マーケット・ストラテジスト株式部門; Chi Lo, シニア・エコノミスト、BNPPAM 金利予想の変化 中東紛争に起因するインフレ率上昇の見通しは、金利予想を変化させ、その結果、債券市場のリターンは低下しています。短期のインフレ連動債市場は、金利変動への感応度が低く、リターンの大部分が実際のインフレ率から得られるため、インフレ率上昇や短期金利の上昇に対する一定の防御策となるとみています。そのため、投資家は通常、従来型債券への投資戦略よりもドローダウン(下落率)が小さく、このことはここ数週間の状況にその傾向が見られました。 短期金利が上昇している時、マネーマーケットや変動金利証券も一定の防御策となる可能性があると考えます。これらのキャッシュ相当資産は、投資家に対して短期的には相対的に高い安全性をもたらす可能性があり、今後、価格の下がったリスク性資産に投資するための資金として活用することもできるでしょう。紛争が長期化すれば、インフレと成長の見通しが悪化し、金利の変動が続くことになるでしょう。しかし、社債などのクレジット市場は、スプレッドが拡大し、利回りが2025年第2四半期以来の高水準にあるため、緊張が緩和する場合には、良好な投資機会が現れるとみています。このシナリオでは、中央銀行が金融政策を引き締める必要性も弱まり、短期金利の市場予想値が低下するため、短期債券市場のリターンを押し上げる可能性があるでしょう。 石油以外の要因 2月28日に中東紛争が勃発して1ヵ月の3月末までに、世界の株式市場(MSCI ACWI指数米ドル建て)はトータルリターンで約7%下落しました。資本財など石油価格に敏感なセクターが下落の大きな要因となり、石油関連セクターは上昇したものの、市場の下落全体を補うことはできませんでした。しかし、2月に上昇相場を牽引したセクターほど、3月の下落相場に与える影響が大きくなりました。金融セクターは、市場でプライベート・クレジットに対する懸念が続いていることもあり、3月の市場下落の最大の要因となりました。一方、テクノロジー関連のハードウェアや半導体セクターは、2月に上昇した分の多くを失いました。 その後、交渉による戦争終結への期待から、株式市場は3月後半には小幅ながら反発を見せ、世界の債券市場(ブルームバーグ・マルチバース指数で測定)を上回るパフォーマンスを示しました。株式市場の反発を牽引したのは、資本財、半導体、金融セクターでした。BNPPAMは今後の見通しについて慎重な姿勢を続けていますが、株式市場におけるセクター動向から判断すると、投資家は長期的な視点でどのように投資すべきかを検討するにあたり、石油関連産業と同様に、人工知能(AI)関連産業にも引き続き注視する必要があるとみています。…

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