投資家はなぜ生物多様性に関心を持つべきか?
生物多様性とは、陸と海のあらゆる生態系に広がるあらゆる源から生じるすべての生き物の多様性のことをいいます。生物多様性は生物の様々な特徴を包含し、種内部の多様性から種と種の間の多様性、それらが生息する生態系の多様性まですべてを含みます。 人間の生活と健全な地球は、自然界の生物間の複雑な相互作用に完全に依存していると見ています。この相互作用は作物を維持し、清潔な飲料水を提供し、廃棄物を分解し、気候の調節を支援していると考えます。 世界のGDPの約半分以上が自然に依存しており、ある報告によると、これらのいわゆる、生態系サービス(生物・生態系に由来し、人類の利益になる機能)は年間150兆米ドル以上の価値があると推定されています。 基本的に、生物多様性が損なわれていないほど、食料・水の供給、浸食・洪水の抑制、炭素貯留などを安定的に維持することができると考えています。 しかし、地球上の生物多様性は人類史上最速の驚くべきスピードで悪化しており、第6次大量絶滅ともいわれています。この原因の大部分は人為的な変化によるものと考えられます。 国連によると、今日、約100万種が絶滅の危機に瀕しています。 . 出所:Intergovernmental Science-Policy Platform on Biodiversity and Ecosystem Service、アクサIM。 説明の目的でのみ記載しています。 経済および投資に及ぼす影響 上述したように、世界のGDPの50%以上が生物多様性に依存しているため、生物多様性の損失はあらゆる産業に影響を及ぼすと考えられます。経済はすべての部分で一定程度自然に依存しており、経済活動を通じて自然に影響を与えると見ています。こういった力学が最も深刻に作用しているのは農業、林業、漁業、鉱業、製造業であり、また、生物多様性の損失は、原材料コストの大きな変動や事業・サプライチェーン(供給網)の混乱に関連した経済的リスクをもたらすと見ています。世界銀行は、自然の受粉、木材供給、魚介類供給の3つの生態系サービスが崩壊するだけで、2030年までに世界のGDPの2.3%が失われると推定しています。 . 新たな投資機会 新たな持続可能な生産・消費モデルの必要性は、それとともに無数の潜在的投資機会をもたらすと見ています。投資家が資本を通じて影響を及ぼすことができる一つの方法は、生態系をより良く保全し支える製品、サービス、技術を通じて生物多様性の損失へのソリューション(解決策や手段)を提供している企業に投資することと考えます。具体的には、精密農業や環境再生型農業、植物由来食品、持続可能な包装、水処理などの分野です。 また、投資家は、環境や社会の課題に取り組むために調達資金が使用される債券であるインパクト・ボンドを通じて生物多様性の保護に一役買うことができます。ブルーボンド(海洋関連プロジェクトの資金を調達するために発行する債券)やグリーンボンド(環境関連プロジェクトの資金を調達するために発行する債券)で調達した資金は、生物多様性関連プロジェクトの資金調達に利用することができます。さらに、サステナビリティ・リンク・ボンド(ESGに関連する目標を設定し、その達成状況に応じた対応をあらかじめ設定して発行する債券)は、この市場が成熟するにつれて、より幅広い補完的な潜在的投資機会を提供する可能性があると見ています。 優先順位が急速に上昇 生物多様性の損失と地球温暖化は相互に関連したシステミック・リスクであり、一方を見ずに他方に対処することは不可能と見ています。気候変動は生物多様性損失の主因であり、2050年以降は土地利用の変更を抜いて最大の要因になる可能性が高いとみられます。 …
18/02/25
