Ecaterina Bigos

Ecaterina Bigos

Bio

Unfortunately, there is no biography at this moment.

Articles from Ecaterina Bigos

Article

月次市場見通し: 債券市場の回復力と株式市場における乖離

金利見通し 中東紛争の勃発以来、債券のパフォーマンスはデュレーションと逆相関となっています。デュレーションが短い債券に加えて、利回り水準が高い債券、そしてインフレ連動債が良好なリターンを示しています。また、米国債券は満期やクレジットの種類を問わず、総じて好調なパフォーマンスを示す傾向にあるようです。これは、米国の利回りが欧州よりも高く、インフレや政策金利への影響が限定的であると予想されているためでしょう。インフレ、金利、財政をめぐるリスクが継続する限り、こうした傾向は続くとみられます。4 月の政策金利は据え置かれたものの、ユーロ圏と英国では引き続き利上げのリスクが残されています。 一方で市場では、米国の政策金利は年内は据え置かれると予想されています。当面は、市場構造的にデュレーションが短く、インカム収入がトータルリターンに大きく寄与する米国ハイイールド債が選好されると見込まれます。2 月 27 日から 5 月 1 日までのICE BofA米ハイイールド指数のインカムリターンは1.2%で、欧州ハイイールド債が0.9%で、米国債(満期 1 年~ 3 年)の0.52%を上回りました。長期債のパフォーマンス改善には、イラン紛争の終結、エネルギー価格の下落、そして金利見通しの転換が必要となりそうです。 選別的なスタンス 株価指数と原油価格の相関関係は、最近になって一部で崩れつつあります。4 月末時点でブレント原油が過去数週間で 20%程度上昇した間、世界の株式指数はほぼ横ばいでした。しかし、注目すべき乖離がいくつかみられます。まず、米国と欧州における乖離です。米国の株価上昇は、好調な経済指標と堅調な決算発表によって支えられています。S&P500指数の構成銘柄のうち、執筆時点で決算発表を行っている企業の…

Article

月次市場見通し: 債券市場の投資機会、株式市場にとって良好なスタート、日本の経済的戦略

社債市場で金利とクレジットのリターンが一体化 社債利回りは、無リスク資産としての国債利回りおよびクレジットスプレッド(信用格差による利回り差)から成ります。社債市場のクレジットスプレッドは10年以上にわたって縮小傾向にあります。しかし、国債利回りは2022年以降上昇しています。そのため、社債利回りに占めるクレジットスプレッドの割合は、世界金融危機以降で最少となっています(投資適格社債市場では約20%、ハイイールド債市場では約50%)。BNPP AMのマクロ経済見通しは穏やかで、国債利回りやクレジットスプレッドにはほとんど変化がないと予想されます。景気が好況であり、株式市場が引き続き好調と見通す中では、ハイイールド債市場は相対的にデュレーションが短いため、投資先として適していると考えます。というのも、好景気のために国債利回りが上昇しても、トータルリターンへの影響が限定的になるからです。それに比較してデュレーションが長めの投資適格債市場は、クレジットスプレッドが拡大しても国債利回りの低下によって相殺されるため、信用環境の悪化による影響を受けにくいでしょう。実際、英米などの中央銀行の追加利下げが予想される中、投資適格債市場のリターンは2025年と同様、健全性を維持するとみています。社債利回りに占めるクレジットスプレッドの割合が過去の平均に向けて増加することは、BNPP AMの基本シナリオには含まれていません。全体として、債券市場見通しは引続き良好であり、2026年も社債などのクレジット市場は好調に推移すると考えています。 株式市場は好調な見通しであり、昨年よりも均等に上昇が広がるとみている 株式市場は2026年、好調なスタートを切りました。年初数日間、世界の主要な株式市場は上昇相場となりました。米国以外の株式市場やテクノロジーセクター以外のセクターに対して、投資家はこれまでのところ部分的ながら投資意欲を示しています。新興国市場、日本、欧州の各株式市場のリターンは米国市場を上回りました。今後、ハイテクセクターとハイテク以外のセクターとのパフォーマンスの差は縮小すると予想されるものの、ハイテクセクターがリードを保つとみています。人工知能(AI)テクノロジーの発展は、今後も関連企業の収益の伸びを強く牽引していくとみていますが、経済の他分野でもAIを導入することで、企業は収益性向上やコスト削減を実現し、利益の増加をこれまで以上に迅速に促進できると考えています。米国のテクノロジーセクターのリターンは最近相対的に低迷しているものの、新興国市場のテクノロジーセクターは他市場を上回るリターンを上げています。欧州では、国防とインフラへの政府支出の大幅な増加によって、米国の関税や中国からの輸入品との厳しい競争による影響を相殺することができ、企業業績が改善するとみています。欧州株式市場のバリュエーション(投資尺度)は、米国株式市場のバリュー株式市場と比べても割安の水準にあります。 株式市場は好調な見通しであり、昨年よりも均等に上昇が広がるとみている 株式市場は2026年、好調なスタートを切りました。年初数日間、世界の主要な株式市場は上昇相場となりました。米国以外の株式市場やテクノロジーセクター以外のセクターに対して、投資家はこれまでのところ部分的ながら投資意欲を示しています。新興国市場、日本、欧州の各株式市場のリターンは米国市場を上回りました。今後、ハイテクセクターとハイテク以外のセクターとのパフォーマンスの差は縮小すると予想されるものの、ハイテクセクターがリードを保つとみています。人工知能(AI)テクノロジーの発展は、今後も関連企業の収益の伸びを強く牽引していくとみていますが、経済の他分野でもAIを導入することで、企業は収益性向上やコスト削減を実現し、利益の増加をこれまで以上に迅速に促進できると考えています。米国のテクノロジーセクターのリターンは最近相対的に低迷しているものの、新興国市場のテクノロジーセクターは他市場を上回るリターンを上げています。欧州では、国防とインフラへの政府支出の大幅な増加によって、米国の関税や中国からの輸入品との厳しい競争による影響を相殺することができ、企業業績が改善するとみています。欧州株式市場のバリュエーション(投資尺度)は、米国株式市場のバリュー株式市場と比べても割安の水準にあります。 1: OECD Economic Outlook, Volume 2025 Issue 2 | OEC 資産クラス別概要 出所:ブルームバーグ 過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。

Article

中国で続くデフレが中国経済を阻害している一方で、AIインフラが世界の株式市場をけん引

中国の昨年12月インフレ率は、主に食品価格の上昇を受けて、ここ3年近くのうちで最も高い水準になりました。しかし、この上昇の動きは、広範な経済にわたるデフレ圧力の深化を覆い隠しており、特に鉱工業セクターにおいて厳しいデフレとなっています。 中国の国内総生産(GDP)デフレーター1は、マイナスの領域に深く沈んだまま三年目を迎え、1970年終盤以降では、最も長い物価下落傾向となっています。株式市場の投資家にとって、GDPデフレーターが企業業績及び市場環境全体の重要な実像をチェックする機能をはたしています。 インフレの兆しが幾分見られるものの、中国はデフレ圧力に苦しんでいます。同国経済は住宅市場の低迷や消費支出の停滞に苦しんでおり、コロナ禍の終息以降、引き続くデフレを解決できずにいます。いくつかの産業では生産が過剰となっており、その結果、製品が過剰に供給され、企業は生き残りのために値下げを余儀なくされています。 他の地域のマクロ経済の動きからは乖離傾向 昨年12月に開かれた中国の中央経済工作会議では、主要な政策担当者からいわゆる「反内巻2」政策への注力が改めて確認されました。この反内巻政策は、電気自動車やフードデリバリーなど各セクターにわたり利益率を侵食するような破壊的な価格競争を根絶することを目指しています。しかし、政府が失業拡大の可能性や経済成長鈍化を恐れて積極的な政策行動を控えているため、政策の進展はまだ限定的になっています。 このマクロ経済の逆風にもかかわらず、中国の2025年の株式市場は2桁のプラスリターンとなりました。大きなマクロ経済動向とは異なるこの動きは、生成AIの躍進によって引き起こされた情報技術等のセクターやバイオテクノロジーセクター、反内巻政策から恩恵を受けるセクターなどの強いパフォーマンスが寄与しています。 加えて、株式の配当利回りが預金金利よりも高いために、貯蓄が株式市場に還流してきており、こうした流動性の改善が市場の再評価を促しています。一方、債券市場のリターンは低下しており、ボラティリティ(変動)が高まっていて、不動産市場は変わらず脆弱なため、それらに代わる別の投資が模索されています。 2026年を迎えて、民間部門の業況感は軟調、消費者心理も停滞、また、受給が不均衡になっており、デフレ脱却には状況が難しくなってきており、ひいては、企業業績に厳しさが増しています。内需の回復が持続的な長期的成長の要ですが、中国の内需拡大には時間がかかるとみています。現状(執筆時)では、政策は投資主導、貿易主導の成長に焦点を当てたままであり、現代の産業システムやテクノロジーの自給率の向上を重視しています。このように、投資家は政策やテクノロジーのイノベーションに支えられた分野に注目を続ける方が良いと考えます。 出所: ブルームバーグ、2026年1月現在 現状では、AIインフラがすべて 世界の主要な株式市場は2026年を好調なパフォーマンスでスタートし、昨年からの上昇相場を続けています。この上昇相場は主に、人工知能(AI)の成長の勢いによって促進されています。市場の予想では、AI技術を導入する企業が増えるために、AI関連支出が2025年の水準を越えると見られています。いくつかの試算では、ハイパースケーラー(クラウドサービスを大規模に構築・運用する企業)のAI関連向け支出が、2025年の約4700億ドルから2026年に約6000億ドル支出するとしています。 最近の相場上昇は、明らかにAIの中核技術を開発する企業よりも、そうした企業に‘道具’を提供する企業がけん引しています。この分野の企業は、AIを支える必須のインフラや機器を供給する企業です。こうした企業には、半導体製造会社やハードウェア供給企業、クラウドコンピューティング(ネットワーク上のサーバーにあるコンピューター機能を活用する仕組み)のプラットフォーム(基盤)提供会社などが含まれ、こうした企業はすべて、AI開発に関連する設備投資の拡大によって恩恵を受けると見込まれています。 現在(執筆時)、投資家の注目はAIのエコシステムに必要となるコンピューターに関連するインフラを提供する企業に集まっています。対して、AI関連ソフトウェアやアクセレレーター(学習処理および推論処理の高速化を実現する専用回路)に関連する企業分野では、株価水準の再調整が穏やかながら進んでいますが、この調整の原因は、こうした企業のアプリケーション(実務用に設計されたソフトウェア)がまだ商業化の初期段階にすぎず、成長するか否かまだ不確実性が高いためです。 このような複雑なインフラを構築し続ける場合には、様々な障害に直面すると可能性があるとみています。その障害とは、コンピューティング用電力不足やデータセンターの許容量の限界、低コストで信頼性の高い電源の必要性などが含まれます。 開発のこの段階では、深刻な需給不均衡の恩恵を受けているのはコンピューティング能力であり、関連製品の価格上昇を招いています。例えば、台湾の調査会社トレンドフォースの推計によると、ダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ(DRAM)の平均価格が2025年第4四半期に50%から55%上昇し、2026年の受注が既に供給能力を超えているとしています。DRAMは、コンピューターの高速ワーキングメモリとして機能し、アクティブな処理に必要なデータへの迅速なアクセスを可能にするため、非常に重要な部品です。 加えて、AI データセンターは膨大な量の電力を消費しますが、開発中の新しい DRAM モデルはデータ移動中のエネルギー消費を 40% ~ 70% 削減します。これは、既存の電力網内で…

Article

月次投資見通し:債券市場投資機会の拡大、欧州投資家の楽観的な投資姿勢、中国の新5か年計画

債券市場での投資機会が拡大 債券市場の見通しは引き続き良好で、2026年には欧米において金融追加緩和が予想されてい ます。キャリー(市場状況が一定の時に得られるインカム)に基づくパッシブ戦略も選択肢の一つ ですが、イールドカーブ(金利曲線)が変化する可能性、市場間スプレッド(市場間の利回り 差)、クレジットプレミアム(信用リスクに対して求める追加的リターン)を考えれば、アクティブ戦 略の選択肢も多くあるとみています。短期国債市場の利回りは金融政策に対する市場の期待を 反映しますが、様々なリスクが長期国債市場にボラティリティ(変動)をもたらすことがあります。財 政政策と多額の国債発行を考えれば、イールドカーブがスティープ(急勾配)化し、さらに傾斜が 進む可能性があるとみています。興味深い点として、2025年では、デュレーションの長い債券市場 分野は市場全体よりもパフォーマンスが良く、4年続いた低パフォーマンスから抜け出そうとしていま す。デュレーションをアクティブに管理し、利回り差を利用することが、良好なパフォーマンスを実現す るカギになるでしょう。イールドカーブがスティープ化すればするほど、デュレーションの延長戦略は有 効になるでしょう。ドル、ポンド、ユーロの金利差が縮小すれば、債券市場のリターンを押し上げるも う一つの機会となるとみています。クレジットスプレッド(信用格差による利回り差)は依然としてタ イトな(縮小した)水準ですが、信用状況の動向に対する懸念が広がっていくと、市場のボラティ リティが高まる可能性があるとみています。マクロ経済の不確実性が高まる時期には、アクティブな 投資戦略により、信用リスクへの投資を現在よりも良好な水準で増やすことができると考えます。 楽観的な欧州投資家 欧州の投資家は安定して株式市場への投資を続けており、市場のデータによると、今年初から8 月までに株式ファンドに流入した資金は1,640億ユーロに達し、2024年の1,440億ユーロを上回り…

Back to Top