新興国小型株へのいざない(2026年3月)
金利環境の変化と新興国小型株の有望な見通し
2025年は主要国の金融政策の方向性が分かれ、加えて米国のトランプ政権による関税政策の衝撃などもあり、不確実性が多い市場環境でした。しかし、そのような中でも新興国小型株指数は概ね堅調に推移し、新興国小型株市場の成長力の底堅さが確認されました。
2026年については、世界的な利下げ傾向、大型株から小型株への流れ、バリュエーション(投資尺度)や成長性重視の環境により、新興国小型株市場が昨年よりも評価されやすい局面に向かう可能性が高いとみています。
このように新興国小型株市場への関心が高まる中、小型株銘柄のバリュエーションや成長性を重視したクオンツ運用戦略として、アクサ・インベストメント・マネージャーズ(アクサIM)の新興国小型株戦略が注目されています。
2025年の市場の振り返り
2025年の世界市場では主要国の金融政策が乖離し、不透明感が投資環境を支配していました。米国では堅調な経済の下、インフレ率の低下に伴い、FRB(米連邦準備制度理事会)が利下げを連続して行いました。一方、ECB(欧州中央銀行)は6月に利下げを行った後は、景気後退リスクを勘案し慎重な姿勢を維持しました。日本銀行は、長年の異次元緩和からの正常化プロセスを進め、年後半にかけてインフレの定着を背景にタカ派姿勢を強め、12月に約1年ぶりの利上げを行いました。2025年はまた、トランプ政権の関税政策やその他の不確実性に振り回されました。4月上旬の「解放の日」における相互関税導入の発表後、いったん各国の株式市場は急落しましたが、トランプ氏の軌道修正等があり、その後AI(人工知能)関連銘柄物色の高まりや米国での規制緩和期待などで株価は上昇を続けました。

このように不確実性が市場に広がる中、新興国小型株は堅調さを維持しました。MSCI新興国小型株指数は2025年に約18%上昇し1、新興国小型株式市場の成長力の可能性を示しました。そして、アクサIMの新興国小型株戦略はそれを概ね上回る好パフォーマンスを上げています。
2025年に確認された新興国小型株の「底堅さ」
金利が高水準で推移し、世界的に不確実性が覆う中でも、新興国小型株企業の収益成長は止まりませんでした。これは新興国小型株特有の「内需の恩恵」と「構造成長」が下支えしたことがあります。
- 「内需の恩恵」:中間層の拡大が内需の質と量を拡大
高齢化が進む先進国とは異なり、新興国では若い労働人口の増加が続いています。それに伴い中間層の幅や所得が拡大し、中間層の多くは利便性が高い都市部に移動しています。都市部への人口集中により、モノやサービスの需要が押し上げられ、内需の質と量の拡大が進んでいます。これは、内需の恩恵を大きく受ける小型株企業にとって追い風となっています。
- 「構造成長」:内需拡大受け、新興国企業の産業構造が高度化・多様化
新興国企業で注目すべきは、内需拡大を背景に産業構造そのものが高度化・多様化していることです。以前は素材・エネルギーなどコモディティ関連企業の比重が大きかったですが、近年は知的財産(IP)やテクノロジーを強化し、高付加価値のビジネスモデルへと構造転換を果たした新興国企業が増加しています。

2026年の新興国小型株の見通し
2026年については、米国を中心とした世界的な利下げ傾向、大型株から小型株への流れ、バリュエーションや成長性重視の環境により、新興国小型株式市場が昨年よりも評価されやすい局面に向かうと見ています。
- 世界的な利下げ傾向
2026年にはFRBが複数回の利下げを行うと市場は予想しており、世界的に金利が低下する傾向が予想されます。新興国でも金利が低下し、負債を抱える新興国企業への恩恵となります。
また、米国の政策金利が低下することで、米ドルが下落し、新興国通貨が上昇する可能性が高くなります。これにより新興国の国内企業は輸入インフレを抑制でき、そして外貨建て(主に米ドル)債務の返済負担も軽減されます。国内市場で主に事業展開する小型株企業にとって追い風となります。
- 大型株から小型株への流れ
2025年には、投資資金は超大型テック7銘柄「マグニフィセント・セブン」や一部のAI関連銘柄に極端に集中していました。しかし、2026年初めの時点ではこれらの銘柄のバリュエーションは極めて高い水準に達しており、AI関連銘柄の持続的上昇への懐疑的な見方や成長鈍化のリスクが意識され始めています。
投資家は、ポートフォリオの集中リスクを回避するため、新たなリターンの源泉を模索しています。特に注目されているのは、長期的に割安水準に置かれてきた新興国市場です。
- バリュエーションと成長性の両立
新興国市場のバリュエーションは、先進国市場と比べるとかなり割安な水準にあります。新興国市場(MSCI新興国指数)の12カ月先予想PER(株価収益率)は、先進国市場(MSCIワールド指数)に比べ大幅に割安になっています(下の左のチャートを参照)。
一方、12カ月先の利益成長率を見た場合、先進国の15.1%に対して、新興国は18.7%と高くなっています。
このため、成長性を考慮するPEGレシオ(PERを利益成長率で割って算出)で新興国と先進国を比較した場合、割安度は更に顕著になります(下の右のチャートを参照)。新興国市場は割安かつ好成長の市場として、非常に良好な状況にあるとみています。

新興国小型株戦略:バリュエーションと成長性を重視した優れたクオンツ運用
成長が見込まれる新興国市場は、企業の開示レベルが先進国に比べて低く、「市場の非効率性」が高くなっています。特に小型株市場は情報が少なく、アナリストのカバレッジも大型株に比べ手薄になっています。この結果、企業の実力が株価に反映されるまでの時間が長く、ミスプライシングが恒常的に発生しやすくなっています。
このような新興国小型株式市場では、人力によるリサーチには限界があり、ビッグデータを使って多数の銘柄群を網羅的に分析するクオンツ運用が圧倒的な優位性を発揮します。アクサIMの株式クオンツ投資(EQI)アプローチは、長年にわたり蓄積されてきた独自のデータベースとモデルを使い、詳細で一貫したファンダメンタル分析を行っています。
とりわけ、新興国小型株におけるバリュエーションと成長性の分析について、ビッグデータを活用したファンダメンタル分析がその威力を発揮します。新興国小型企業の膨大なデータを効率的に解析することで、真にキャッシュフロー創出力のある割安銘柄を特定し、そして持続的な成長が見込める銘柄に投資を行います。
アクサIMの新興国小型株戦略では、クオンツ運用の優位性を活用し、新興国小型企業の投資機会や成長性、分散投資を追求しつつ、優れたリターン創出を目指しています。

過去の実績は将来の成果を保証するものではありません。
本資料で使用している指数について
MSCI新興国株指数及びMSCI新興国小型株指数:MSCI社が公表している新興国の株式市場及び小型株式市場の値動きを示す時価総額加重平均型指数です。
※本レポート中の指数等の著作権、知的財産権、その他一切の権利はその発行者に帰属します。
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