Johann Plé

Johann Plé

Senior Portfolio Manager, Fixed Income

Bio
ヨハン・プレは、債券投資プラットフォームに属する債券投資アロケーション&トータルリターン・チームのシニア・ポートフォリオ・マネージャーで、ユーロ圏債券総合戦略とインパクト戦略の専門能力について責任を負っています。

ユーロ建て債券やグリーンボンド戦略など複数の旗艦ファンドを運用しており、また、持続可能性ととインパクトに着目した専用口座の運用を行っています。

2010年からユーロ圏総合債券戦略を運用し、2015年にはプラネット債券戦略(現在のグリーンボンド戦略)の立ち上げに関わり、2018年初めに主任の地位に就きました。それ以降、その他のサステナブル戦略やインパクト戦略の開発・運用も担当しています。

2009年1月にグローバル金利チームのジュニア・ポートフォリオ・マネージャーとしてアクサIMグループに入社し、グローバル金利戦略やグローバル総合債券戦略のポートフォリオを運用してきました。

アクサIMグループに入社する前は、クレディ・アグリコルCIB(旧カリヨン)で1年間、金利・デリバティブのアービトラージ・プロプライエタリー・デスクでアシスタント・トレーダーを務めました。

ネオマ・ビジネス・スクール(旧ESCルーアン)で金融市場の修士号を取得しています。

 

2024年1月

Location Paris

Articles from Johann Plé

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債券を分散化する戦略がこれまで以上に重要な理由

地政学的情勢は揺れ続け、経済的背景の不確実性も高まっています。世界的な断片化と市場のボラティリティ(変動)という環境の中で、分散投資は再びポートフォリオ構築の最重要課題となっています。しかし分散化されたポートフォリオとは、単に株式戦略と債券戦略の組み合わせを意味するのではありません。債券市場はそれ自体が広範で奥行きの深いユニバースであり、例えば信用力、地域、満期など、この資産クラス内で分散化するための数多くの投資機会を提供しています。 債券市場のパフォーマンスは、金利および信用スプレッド(信用格差による利回り差)という2つの主要なファクターに影響されます。これら2つのファクターの関係は、ある時期には正の相関を示すこともありますが、自然に負の相関に戻るときには通常、金利とよりリスクの高い資産との組み合わせを通じて潜在的な分散効果をもたらします。 スプレッドの影響 不透明な背景にもかかわらず、信用スプレッドは現在、歴史的な低水準にあり、2025年7月末までに今年で最も狭い水準に達しました。スプレッドのこの縮小により、高ベータ資産クラス(市場の変動以上に値動きが大きい資産クラス)は分散ポートフォリオ をアウトパフォームし、リスク調整後でも同様でした。しかし、こうしたスプレッドの縮小は今後期待できないかも知れません。 実際に過去のデータを見ると、スプレッドが同様に狭い水準にあったときは、その後1年以内にスプレッドが拡大する確率がかなり高くなっていました。ユーロ建てハイイールド債(HY)市場を例にとると、スプレッド拡大の可能性は現在(執筆時)81%で、潜在的な拡大幅は最大341ベーシスポイント(bp)となっています。逆に、縮小の確率はわずか19%で、その幅も最大で125bpです。ユーロ建て投資適格債(IG)市場でも同様の結果が観察され、スプレッド拡大の確率は80%と、拡大を優位とする非対称性を表しています。 出所:ICE、アクサIMグループ、2025年6月30日現在。バックテストは1998年12月31日から2025年6月30日までの期間、週次データを用いて実施。スプレッドが現在の水準に近似(最大差20ベーシスポイント)していた過去の日付を検討する。上記の箱ひげ図では、数値データを四分位数に分け、第1四分位数と第3四分位数の間に箱を描き、第2四分位数に沿って中央値を示す×印を描く。 トータルリターンで見ると、その様相はやや異なります。スプレッドの拡大確率はIG市場とHY市場で同程度ですが、HY市場はキャリー要素(相対的に高いクーポン収入)のおかげで(相場変動に対する)耐性が強い傾向にあります。スプレッドの拡大にもかかわらず、HY市場のパフォーマンスが分散ポートフォリオを下回るケースは42%程度の模様です。実は分散ポートフォリオは、HY市場のスプレッドが1年間で少なくとも100bp拡大した時点で、HY市場を明確にアウトパフォームし始めます。 IG市場については、キャリー要素がスプレッド拡大に対するクッションとなりにくく、分散ポートフォリオのパフォーマンスは74%の場合で上回っていました。 出所:ICE、アクサIMグループ、2025年6月30日現在。バックテストは1998年12月31日から2025年6月30日までの期間、トータルリターン・ベースの週次データを用いて実施。スプレッドが現在の水準に近似(最大差20ベーシスポイント)していた過去の日付を検討する。 最適なリスク調整後リターンを目指す上での分散投資の役割 では、HY市場や劣後債の市場にのみ投資すれば、通常、分散されたポートフォリオよりも良いリターンが得られるのに、なぜ投資家は分散されたアプローチを採用しなければならないのでしょうか。 相対的に高いリターンにはそれに応じた高いボラティリティと大きいドローダウン(高値からの下落幅)を伴う傾向があるため、この理由からリスク調整後リターンに注目することが重要になると考えます。 下の図が示すように、分散投資は歴史的に、ポートフォリオの最高値からその後の回復前の最低値までの下落率を大幅に減少させるのに役立ってきました。この下落率は最大ドローダウン(MDD)と呼ばれます。したがって分散化は、シャープレシオ (SR)で測定されるポートフォリオのリスク調整後リターンを向上させると考えます。これを実証するために、ユーロ建て債券ユニバースに注目すると、分散ポートフォリオは長期的に最も小さいMDDと最も高いSRを示しました。 出所:ICE、アクサIMグループ、2025年6月30日現在。バックテストは1998年12月31日から2025年6月30日までの期間、週次データを用いて実施。*分散ポートフォリオは、ソブリン・準ソブリン45%、クレジット45%、ユーロ建て新興国債券(EMD)10%で構成。 一方、各アセットクラスを個別に見ると、すべてのアセットクラスを組み合わせたもの(ここでポートフォリオとして示されている)よりもMDDが大きいことがデータからわかります: 出所:ICE、アクサIMグループ、2025年6月現在。例証のみを目的としています 実際、過去の経済危機の際にも、分散ポートフォリオは一貫して高い耐性を示し、単一の資産クラスに比べてドローダウンが小幅でした。  S出所:ICE、アクサIMグループ、2025年6月30日現在。バックテストは1998年12月31日から2025年6月30日までの期間、週次データを用いて実施。*分散ポートフォリオは、ソブリン・準ソブリン45%、クレジット45%、ユーロ建て新興国債券(EMD)10%で構成。例証のみを目的としています 大幅なドローダウンは回復に時間と忍耐を要し、リスク許容度の低い投資家には適さないかも知れません。 ドローダウンが小さいほど常にSRが高いというわけではありませんが、過去5年間のパフォーマンスでは、クレジット(特にHY)市場が分散ポートフォリオと比較してより良好なSRを提供してきました。上述のクレジット・スプレッドの縮小が明らかに、デュレーション属性の低下とともにこれに寄与しています。…

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債券市場において、分かっていることと分かっていないこと

過去数年間、債券市場のリターンは良好だったため、投資家が2022年の厳しい環境から徐々に回復することの助けになりました。しかし、その回復は一直線に進んだものではありませんでした。実際、市場は主に金利ボラティリティ(変動性)が上昇することによる高い構造的ボラティリティの局面に突入しています。 このボラティリティは、各国の主要な中央銀行が金融政策についてこれまでの歴史で最大の転換を実施して以来直面してきた不確実性の高まりを反映しています。市場もこのボラティリティを予想していませんでした。2025年の初めの見通しでは、市場にはいくつかの確実性が現れてくるように思えました。つまり、米国例外主義は、トランプ政権の規制緩和と減税の計画によって強化されようとしているとみられており、また、欧州については、経済成長は低迷を続け世界的な貿易戦争によって抑制される可能性があり、インフレは懸念材料にはならないと予想されていました。 これらの確実性はすべて消え去りました。その代わりに、市場はこれまでにないほど多くの追い風に直面しているようです。あまりにも多くの追い風があるため、構造的ボラティリティが高いにもかかわらず、市場は凍りついているようになっており、限られた範囲で推移し、中期的に金利の正しい方向を評価できない状態になっております。 物事が横ばいの動きになるとき、投資家として、分かっていることと分かっていないを見直すことには通常では意味があると考えます。 分かっていること 上記のポイントはすべて、この資産クラスに対してかなり支援材料になるとみていますが、依然として大きな不確実性があります。 分かっていないこと 地政学 中東の緊張が高まっています。イランとイスラエルの間で最近停戦が発表されたにもかかわらず、過去この地域の停戦について、本当に守られたものは半分に過ぎません。一方、ロシアとウクライナの戦争は続いており、米国と欧州の同盟国とを分断する可能性があります。この分断は、防衛支出を加速させる必要が生じ、財政見通しや供給への重荷が増す可能性があり、その結果、金利が上昇することになると考えます。 これに加えて、原油価格が上昇すると、新たなインフレ圧力が加わり金利を押し上げる可能性があります。 貿易関税 関税貿易戦争は続いており、各国の交渉の行方を見ると、金利や成長の観点から何を意味するのかを確実に予測することが難しくなっています。一方で、交渉が成立すればリスク資産を支え、また、成長拡大とインフレ加速の見通しから金利が上昇する可能性があるとみています。しかし逆に、期待される成長が下方修正されると、金利が低下し、クレジットスプレッドが拡大することもあります。また、たとえ交渉が妥結しても、それが尊重されるかどうかはまだ分かりません。 世界の非ドル化 米国は、信頼できる同盟国としての地位を失ったようです。このことは、米国が今後経済的および地政学的に建設的なパートナーシップを築くことができるか否かについて、悪影響を及ぼす可能性があります。また、予防的な手段として、米国から投資を引き揚げる範囲が広がり、米国金利に対してユーロ金利を強める要因となるかもしれません。 財政見通し 欧米は共に、防衛支出の増加や減税により、財政赤字がさらに増加することが見込まれます。この赤字拡大が市場に十分に織り込まれているとしても、依然として金利を押し上げる要因になる可能性があるとみています。 中央銀行の金融政策 欧州中央銀行(ECB)と米連邦準備制度理事会(FRB)は、現在の経済データを考慮すると、金利に関して現在の水準に満足しているようです。しかし、両中央銀行はこの非常に不確実な環境において行動する準備も整えています。雇用の悪化はFRBの行動を引き起こす可能性があり、また同様に、インフレの急上昇はフォワードガイダンス(中央銀行が金融政策の先行きを前もって示すこと)に影響を及ぼす可能性があるとみています。 これら地政学的リスク、貿易戦争、財政赤字拡大の結果はすべて、各中央銀行に行動を促す可能性があるとみています。 一方、トランプ大統領が任期満了前にFRB議長交代を発表すれば、信頼に対する別の課題が生まれる可能性があります。彼はパウエルFRB議長やFRBを批判している一方で、最高裁判所が早期の交代を防いでいるものの、トランプ大統領の将来的な関与を軽視すべきではないと考えます。たとえこれが現在のFRBの金融政策に影響を与えないとしても、市場にハト派的な傾斜を加え、インフレ期待を高める可能性があり、その結果、イールドカーブがさらにスティープ化することが考えられます。…

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Eifel Tower

パリ協定から10年が経過、この間グリーンボンド市場は需要が拡大

グリーンボンド市場の勢いは衰えを見せておらず、グリーンボンドは標準化が進み、透明性と信頼性も向上しています。その結果、この資産クラスに対する需要が増え続けています。 2015年に196の国が採択し締結したパリ協定は、世界の気温上昇幅を産業革命以前と比べて2°Cを十分に下回る水準、できればそれよりもはるかに低い水準に抑えることを目標としており、このグリーンボンド市場には追い風となってきた可能性が高いと見ています。 世界第2位の経済大国である中国は、高い環境目標を支援するために国際資本を誘致しようと、今年4月に同国初のグリーン・ソブリン債を発行しました。ロンドン証券取引所に上場されたこの人民元建て債券は、60億元を集めました。  これは、近年著しく拡大しているこの市場における最新の重要な進展と見ています。2024年のグリーンボンド市場の発行額は過去最高の4,470億ドルとなりました 。一方、より広範なグリーン、ソーシャル、サステナビリティ債券市場残高は、ユーロ建て投資適格債市場の約3兆ユーロに匹敵します。  さらに、グリーンボンド(調達資金の用途を環境に優しいプロジェクトに限定)市場の2024年のパフォーマンスは従来型債券市場を上回り、過去8年間のうち6年間でこの傾向が見られています。  欧州を超えて拡大 欧州は、サステナビリティへのコミットメントもあってグリーンボンドの発行で高いシェアを占めています。欧州委員会は新型コロナ禍後の経済復興基金「次世代EU」の最大30%をグリーンボンドで資金調達しており、世界最大のグリーンボンド発行体となる予定です。  一方、ドイツの財政計画もグリーンボンド市場に恩恵をもたらす可能性があると見ています。この世界第3位の経済大国は最近、5,000億ユーロのインフラ・防衛支出政策案を承認しました。これには、炭素排出量の削減と持続可能なインフラの構築を目的とした気候・エネルギー移行プロジェクトに充当される1,000億ユーロが含まれています 。この取り組みは、欧州のグリーンボンド市場の成長をさらに後押しすると見ています。 欧州以外に目を向けると、アジアや新興国のソブリン・グリーンボンドの発行もますます注目を集めています。中国政府の最近のこの分野への進出が、伝統的にユーロ建てとドル建ての発行が支配的だった市場において投資家に新たな投資機会を生み出しました。 米国では最近、環境・社会・ガバナンス問題に対する反発が起きています。特に米新政権からの反発を考えると、今年の米国でのグリーンボンド発行は減少すると予想されます。実際、ブルームバーグによると、米国では企業のグリーンボンドの発行ペースが過去10年間で最も遅くなっています。ただし、地方自治体のグリーンボンド発行は依然として歴史的にも高水準です 。 透明性と信頼性の向上 グリーンボンド規制は、市場の進化と成長に伴って発展し続けています。2024年12月から適用されている新たな欧州グリーンボンド基準は、この資産クラスの発行体のベスト・プラクティス(業界標準)を定めています。 それによれば、発行体は、債券の純調達額の85%以上をEUタクソノミーで「グリーン」と定義される活動に割り当てる必要があります 。このラベルを使用するか否かは任意ですが、発行体がこの基準を採用すれば、投資家により大きな透明性と確実性を与え、グリーンボンド市場の信頼性を高めることになると見ています。 国際決済銀行(BIS)の最近の研究 は、企業のグリーンボンドの発行に関し、多くの場合発行体による炭素排出量の減少を伴うことを明らかにしました。また、より厳しい排出目標を掲げる国でグリーンボンド市場が最も拡大していることも示しました。これらの調査結果によれば、グローバル企業が環境パフォーマンスの向上に向けた高い目標とコミットメントを共有していることは明らかで、ネットゼロへの移行を支援する手段としてのグリーンボンドの信頼性をさらに高めているとしています。 広範な投資機会の可能性 グリーンボンドは成熟度を増し、地域、セクター、発行体の多様化が進んでいます。これには、ソブリン債や準ソブリン債のように流動性が高く、一般的にディフェンシブな市場部分のほか、投資適格社債のように利回りが相対的に高い傾向にあるが依然として相対的に良好と見られる市場部分、ハイイールド債やエマージング債のようにリスクは高いがリターンも高くなる可能性がある市場部分が含まれています。 「グリーニアム」(グリーンボンドが従来型債券に比べて歴史的に付けてきた割高な価格)はもはや見られません。市場の拡大と多様化に伴い需給の不均衡が解消し、資産クラスとしてのグリーンボンドは、投資家にプラスのインパクトを及ぼす機会を提供しつつも、同等の従来型債券に対して一般的に割高ではなくなりました。 債券市場の利回りは、2022年に根強いインフレ圧力を背景に急上昇し、その後、欧米の中央銀行がこの1年間で利下げしたにもかかわらず歴史的な高水準でとどまっています(下図参照)。このように、投資家はグリーンボンド投資戦略を通じて、債券のすべてのパフォーマンス要因を備えた良好な債券市場に投資する機会を獲得できると、アクサIMグループは考えています。 出所:ブルームバーグ、2025年3月31日現在 その一方で、近年、特に貿易戦争や政策の不確実性、その他の地政学的懸念を背景とした現在の不確かな状況の下で、ボラティリティ(変動)は大幅に上昇しています。…

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グリーンボンド戦略 2025年の見通し

2024年は、グリーンボンドにとって比較的堅調な年となりました。リターンは従来の債券市場を約2%上回り、また、発行額は新記録に達しました。発行は依然として主にユーロ建てですが、これによりグリーンボンド市場は相対的に良好な基盤が2025年に向けて整ったと考えています。欧州の政策金利引き下げの道筋は、米国と比較して債券市場への投資機会、従ってグリーンボンドへの投資機会をさらに広げていくと見ています。 2024年、グリーンボンド市場のリターンは2年連続で従来の債券市場を上回りました(過去8年間のうち6年間でこの傾向が見られました)。これに加えて、グリーンボンド市場の発行額は2024年に4470億ドルに達し、年間発行額としては史上最大となりました。こうした動きによって、グリーン、ソーシャル、サステナビリティ(GSS)ボンドの債券ユニバースでは2021年の発行記録に匹敵し、2023年を17%上回ることになりました。 社債は2024年の全発行額の52%を占めており、金融債、公益事業債、一般事業債がほぼ均等に分かれています。注目すべき他のセクターとしては、自動車が7%、不動産が6.5%を占めており、不動産セクターの発行は2023年のファンダメンタルズ面の軟化による低迷から回復の兆しを見せています。 ソブリン債券の発行は比較的好調な勢いを保ち、発行額の28%を占め、これは欧州諸国の比較的しっかりとした動きを反映しています(ほとんどの国がすでにグリーンボンドを発行しています)が、オーストラリアなどの新たな発行体も見られました。  ユーロ建て債券が発行の60%を占めており、市場成長の主要な推進力となりました。一方、新興国市場(EM)は10.4%から6.5%に減少しました。特に重要と思われることは、米国の発行体からの発行がわずか8.5%に減少したことで、米ドル建ての発行の減少(昨年の20%に対し14%)を引き起こしました。 トランプ大統領の影響が意味すること グリーンボンドについて、米ドル建て債券の発行が減少したことは、以下の異なる角度から説明できると考えます: グリーンボンド市場がこれまでいくつかの部門で発行不足を経験しており、グリーニウム(グリーンボンドが同じ発行条件の普通債に比べて利回りが低くなる現象であり、「グリーン」と「プレミアム」を組み合わせた造語)を生み出していましたが、こうした発行体の動きによって、発行不足が解消されつつあります。従来の債券と比較してグリーンボンドを組み入れるために支払うプレミアムは2024年にはほぼ消失し、ユーロ建てグリーンボンド市場では昨年末時点ではほぼ1ベーシスポイントにまで縮小しました。 課題が多く、規制が強まる状況 GSS債券の発行を導く枠組みの透明性と堅牢性は大きな改善を見せており、過去2年間で複数の枠組みの更新が行われ、これらの債券の信頼性が高まっていると思われます。これらの新しい枠組みは、透明性、報告、検証のコミットメントを強化します。また、適格なカテゴリーの範囲を広げ、EUタクソノミー(欧州連合(EU)において、環境面で持続可能な経済活動を定義するEU共通の分類基準)などの基準選定の段階を追加することもあります。 EUタクソノミーは発行体の枠組みに組入れが進む一方で、依然として長く複雑な規制であることに注意する必要があると思います。一部の発行体にとっては、いくつかの基準に準拠していることを示すのが難しいかもしれず、発行体がこの新しい基準を完全に消化して吸収するまでには時間がかかる可能性があると考えられます。 それにもかかわらず、より標準化された枠組みの採用は、環境成果全体の改善に寄与していると見ています。発行体が温室効果ガスの排出削減や生物多様性の向上など、測定可能な環境への影響にますますコミットメントを強める姿勢が見られます。また、持続可能な枠組みの中で環境面とともに社会的配慮を統合する傾向が高まっており、より包括的な資金調達へのアプローチが促進されています。  アクサIMグループは、過去数年間に規制が引き起こした混乱が徐々に解消され、より堅牢で信頼性のあるGSS市場が形成され、経験が比較的乏しい投資家ももっと利用しやすくなると考えています。 見通し 2025年に目を移すと、ネットゼロ投資の要件が依然として比較的多くあるため、アクサIMグループは、グリーンボンド市場は今年も再び拡大する年となり、発行額がさらに増加すると見ています。実際、今年について楽観的に考えられる理由はいくつも考えられます。 第一に、グリーンボンド市場はパリ協定から10年を経過しており、市場に活気を与えた初期に発行された債券が徐々に満期を迎えています。この満期の壁は2025年と2026年に比較的高水準に達し、通常の発行目標に加えて借換えの必要が生じることになると考えられます。 第二に、階層はあまり変わらず、欧州とユーロ建ての発行が比較的多くを占めると予想されます。また、社債が引き続き発行の50%以上を占め、一般事業債の成長の可能性があると期待しています。 ソブリンの発行体の中では、これまで発行していなかった政府がグリーンボンドを発行することが予想できます。欧州ではフィンランド、ポルトガル、ギリシャの3カ国のみがグリーンボンドを発行していませんが、ギリシャは2025年の資金調達計画においてそれを可能性のある手段として言及しています。欧州各国の発行に加えて、EU全体は引き続き、次世代EU計画の下で見込まれている2026年までに2500億ユーロのグリーンボンドでの資金調達を行う比較的大口のグリーンボンド発行体です。 もう一つの興味深い発展の領域はアジアであり、ここは欧州の後に強力な成長の源となる可能性があると見ています。成熟した規制と政府の支援によって支えられたサステナブル・ファイナンス(新たな産業・社会構造への転換を促し、持続可能な社会を実現するための金融)の進化は、地域内での供給の増加だけでなく、投資家の投資需要の高まりにもつながる可能性があると見ています。 米国のグリーンボンド市場は引き続き動きが比較的鈍いと予想していますが、アクサIM グループは、米国で資金調達されたプロジェクトは続けられるだろうと見ています。これは、インフレーション削減法(IRA)の資金提供の受益者のほとんどが共和党の州であるためです。また、米国の大手銀行がネットゼロアライアンスから脱退する動きが続いている一方で、これがグリーンボンド市場を揺るがすことはないと考えています。これは、この姿勢変更が主に米国に限られているのに対し、グリーンボンド市場は引き続き主に欧州の発行体で構成されており、これらの銀行はこれまでのコミットメントから撤退していないためです。 私たちは、グリーンボンドがGSS債券全体の発行配分において引き続き主導的な地位を維持すると期待しています。ただし、海洋やその他の水関連プロジェクトに関連するブルーボンドや、サステナビリティ関連ローン・ファイナンシングボンド(SLLB)などの新しい債券が関心を集める可能性があります。また、グリーンプロジェクトのバリューチェーン(供給網)を開発するために必要なプロジェクトの資金調達を行うグリーンエネーブリングボンドなど、他の新たな債券も出現するかもしれません。実際、認証付き債券市場は地域やセクターを超えて進化し続けています。…

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